「新時代!シチズンサイエンス」と密接なオープンデータの解放

コラム

「新時代!シチズンサイエンスと密接なオープンデータの解放」は、私たちの暮らしや社会を大きく変えるでしょう。これまで専門家のみ扱っていた情報を誰もが活用し、身近な疑問や発見を社会の課題解決につなげる時代へ。

「シチズンサイエンス」とは

余り聞き慣れない言葉ですよね。

「シチズンサイエンス」とは英語で citizen science 、市民化学の意味です。

 

市民化学?と言われても何のこと?

 

「市民」の意味は解る、「化学」の意味も解るけれど、ふたつの言葉が繋がると、よく解らないなぁ?

 

誰かにその言葉の意味を聞かれても曖昧な説明しかできない。

市民のための科学!?

市民が作る科学!?

言葉に詰まってしまいます。

 

「シチズンサイエンス(citizen science)=市民化学」を一言で表すと、「一般の市民が科学研究に参加する活動」になります。

 

『一般の市民がどうやって科学研究に参加できるの?』ってなりますよね。

余りにも私たち一般の市民の持つイメージと、専門的な知識を持つ科学者とでは住む世界が全く違うのではと思ってしまいます。

どう考えても違い過ぎますよね。

 

しかし、その全く違う専門家と一般市民を結びつける発想が、シチズンサイエンスなのです。

 

「シチズンサイエンス」とは、専門の研究者だけではなく、一般の人が観察・データ収集・調査などに参加し、そのデータを研究者が分析して科学研究に役立てることです。

 

専門家とは、難関の国家試験をパスし、大学や研究機関などでの実績が必要など、専門知識を習得したことで専門家と呼ばれます。

それゆえに圧倒的に専門家の人数(分母)は少なく、日本の国土が世界的には小さい国とは言え、数少ない専門家でカバー出来るものではありません。

 

日本で初めて実測による科学的な日本地図を作製した人物の伊能忠敬(いのう ただたか)をみれば明らかですよね。

江戸時代後期に17年もの歳月をかけ、4万キロの距離を測量しました。

4万キロの距離を測量するのに、17年の歳月を費やしています。

 

ちょっと話が過去に戻り過ぎましたが、現代社会では考えられないですよね。

 

デジタル社会の実現で、専門知識を持つ数少ない専門家が広域な情報収集が可能となりました。

そしてデジタル社会の普及により、一般市民との距離もまた画期的に近くなっているのです。

 

国は、あらゆる分野でイノベーションを期待しているのです。「シチズンサイエンス」を推進するのも理解ができます。

 

オープンデータの解放

国や自治体などが持っている情報を、誰でも利用しやすい形で公開することが、オープンデータの解放です。

国が進める大きな目的は、公開されたデータを、民間企業や研究者、一般の市民などが自由に活用しすることができ、新しい研究や色々なサービスや、地域で抱えている課題の解決などにつなげることなのです。

 

日本政府は行政機関などが保管するデータを、e-Govデータポータルなどのサイトを通じてオープンデータとして公開しています。(中央行政のオープンポータルです)

データセットとは、ファイルやURLなどの「オープンデータ」が登録された入れ物を指します。
データポータルでは、複数の切り口からデータセットを探すことができます。
https://data.e-gov.go.jp/info/ja

日本のオープンデータ情報一覧
https://japan-opendata.github.io/awesome-japan-opendata/

 

オープンデータカタログからデータセットまで、国や地方自自体の集積された いろいろな情報がテータ化され公表されています。

興味のある方、特定の情報を知りたいなど、さまざまな集積された情報がありますので きっとお役に立つ情報に巡り合えると思います。

 

市民による発見

記憶に新しいところでは、岡山市の高校生が発見した小惑星が国際的に新しい天体と求められ、「ダイアンジ」と命名されたことが話題になりました。

母校である「大安寺(だいあんじ)」にちなんで命名。

パソコン上の天体観測ウェブサイト「コイアス」を使って小惑星を発見でした。

特に2026年9月にNHKなどで大きく報じられ話題になったのが、一般市民による未知の前方後円墳の発見です。

国土地理院が公開している精細なレーザー計測データ(赤色立体地図や航空レーザー測量図)を使っての大発見です。

 

では何故、一般の市民が発見できたのか。

地上からはただの山や森にしか見えなかった巨大遺跡が、地形の起伏を可視化するデジタル地図によって「形」として浮き彫りになるためです。

現在、専門家も驚くほどのペースで市民による遺跡の “再発見” が相次いでいるそうです。

 

このような新たな大発見は、積極的な国や地方自自体の情報公開なくして成し得なかったことでしょう。

 

シチズンサイエンスの新時代

シチズンサイエンスの発展に、国や地方自自体、各研究機関によるオープンデータの開示が欠かせません。

また、通信環境、衛星環境、高性能化したスマートフォンの普及なども欠かせないでしょう。

そして今後、鍵になるのは急速に発展しているAIツールの活用により、専門の研究者ではない一般の市民が、科学の情報を得るだけではなく、歴史的発見や科学的知見を自ら発信できる社会へと進化しているのです。

 

当然ではありますが、シチズンサイエンスの推進には反対意見や懸念点も多く聞かれます。

主にデータの信頼性や観察ミス、計測機器の信頼性やデータの入力ミスなど、専門的なトレーニングを受けていない市民が参加することに対し懸念があると。

 

しかし市民から集められた新発見などの情報の是非を確認できるのは、その道の専門家でしかないのです。その専門家には たどり着けなかった新たな情報なのですから大きな進歩だと思います。

 

天文学の分野では、一般の市民が、宇宙望遠鏡の画像を使って、プロの天文学者が見落としていた小惑星を発見したり、

生物学の分野でも、市民がスマートフォンで撮影した昆虫を投稿し、温暖化による生息域の変化などデータ構築に大きく貢献しています。

 

気象・環境の分野をみても、スマートフォンを持つ一般市民が日本各地に点在し、各地の情報が瞬時に共有されるのですから素晴らしいですよね。

 

そのように現代社会は、それぞれの専門分野の「オープンデータ」を、一般市民が興味ある分野で、開示されたデータを活用し新たな発見をすることができる社会なのです。

そして専門の知識を持つ専門家や専門分野の団体が、一般の市民から集めた情報を開示することで、広く国民に周知され、次の新たな発見に繋がるのです。

 

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